動物愛護法違反が常態化しているペット業界

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こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。

欧米では、生後8週齢以下の幼い子犬や子猫が親や兄弟から引き離されると、噛み癖や吠え癖といった問題行動を起こしやすくなるという研究結果が多数出されています。

その研究結果を受けて、日本でも動物愛護法で、生後56日以前の犬猫販売は禁止されました。この規制は【8週齢規制】と呼ばれています。

8週齢規制にもかかわらず、幼な過ぎる子犬・子猫がペットオークションで売買されている問題を受けて、環境省は、ブリーダーやペットオークション会場への立ち入り検査の結果を、2024年02月15日に公表しています。

環境省が公表したところでは、全国のペットオークションで取引された犬猫のうち、多くの犬猫について生年月日が改ざんされている事実が強く疑われるとのことです。
また全国で調査されたブリーダー約1400事業所のおよそ半数に当たる700の事業所で動物愛護法違反行為が確認されたとのことです。

生年月日の改ざんが行なわれる背景には、幼い犬ほど高い値段で売却できるということがあります。
悪質ブリーダーが、少しでも儲けるために、生年月日を改ざんして8週齢規制を潜脱しているという現状が明らかになったわけです。

ペット業界には反社会的勢力も多く巣食っており、モラルを疑われる事業者が多い業界です。

ブリーダーやペットショップによるペット虐待等のニュースがしばしば報じられますが、体質そのものに問題を抱えている業界であることは事実です。

母犬の自然分娩を待たず、出産予定日よりもかなり早い時期に帝王切開で強引に子犬を産ませ、帝王切開から8週間が過ぎた時点でペットオークションで売りに出す、という悪徳ブリーダーのことも耳にしています。
もちろん、この所業は8週齢規制を潜脱するためです。

ペットオークション協会の一つである【一般社団法人 ペットパーク流通協会】の会長が、文春の取材を受けて、「詐欺の業界といわれたままでは、子供や孫に誇れる仕事にはならないのでクリーンにしたい気持ちはある」と語っています。

ペットオークション協会の会長が認めているとおり、悪徳業者が多く参入している業界であるわけです。
もちろん真面目な事業者もいますが、大勢を見る限り、ペット業界の自浄作用は期待できないところです。

ブリーダーによる8週齢規制潜脱や、ブリーダーやペットショップによる虐待や遺棄を根絶するには、ペットショップでの生体販売を法律で禁止することにより、【ブリーダーによる大量生産 ➡ ペットオークションでの競り売り ➡ ペットショップでの大量販売】というシステムを根底から崩壊させる以外にないと考えられます。


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