音楽が終わった後で。。。。4 〜シケモク拾い〜

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コラム
中学生半ばから、学校帰りにはロック喫茶、ブルース喫茶、ジャズ喫茶巡りが当たり前の生活が始まる。部活もそこそこに喫茶店に入り、一番安いコーヒーを頼み、カウンターで居座る。つまり非常にませたガキだった。

今だとこのような喫茶店自体が形を潜め、チェーン店ばかりになっているが、この頃の喫茶店のマスターはそれこそ色々な意味で人生の師匠だった。

ませたガキの更に上を行く「大人の音楽」ってヤツを教えてくれた。オールマンブラザーズバンドの「フィルモアイースト」のライブ盤などをかけながら音楽談義に花を咲かせていた。そういえば2杯目のコーヒーはマスターの奢りだったことが多かった。

そんな中、あるマスターが顔を顰めながら一枚のアルバムを持ってきた。それが後に名盤となるイーグルスの「ホテルカリフォルニア」だった。わちきもイーグルスの名前は知っていた。リンダ・ロンシュタットのバックバンドみたいな位置付けでカントリーっぽいロックを演奏していた記憶があった。

マスター曰く、「これはロックの最期なのかなあ。こんなアルバムはどう聴いたらいいかわからないよ。」と呟いた。聴かせてもらうと、1曲目のタイトル曲で圧倒された記憶があるのだが、2曲目は今まで通りのイーグルス。。。。3曲目はファンキーなロックサウンドと何ちゅうか、ごった煮状態になった気がする。タイトル曲は1stシングルではなくて、日本では大阪の有線放送で火がついてシングルカットされたという話を聞いたことがある。ちなみに1stシングルは2曲目のNew Kids In Town。このNew Kidsって、実は当時東海岸から、西海岸へ活動の場を一時的に移していたHall & Oatsのこと。R&B好きのグレンが彼らのライブを観て、直ぐに作ったということだけど曲はカントリーロックって感じだった。このアルバムが大ヒットしたことで、彼らのプレッシャーが大きくなり、結局のところLong Runでバンドとして最後を迎えることになる。そのLong Runツアーの初日の武道館には足を運んだ。開演前から飛び交うフリスビー、暗転直後に鳴り出したホテルカリフォルニアのイントロ。凄まじいものだった。客席を見たら、このアルバムを教えてくれたマスターと目が合い、ちょっと気恥ずかしい思いで笑ったことを今でも覚えている。

ライブ終了後、マスターが武道館近くの知り合いの喫茶店に連れて行ってくれた。店は閉店していたが、それでもそこからコーヒー一杯で2時間ほど居座った。学校では落ちこぼれでも拾ってくれる場所があった。マスターは時々「自分は世間のシケモク扱いされている奴を拾って話をするのが本業かもな」と笑っていた。ありがたい話である。そうでもなければ居場所なんて見つからなかったし、音楽というツールに支えられる生活もなかった気がするのである。

最近「つまらない」と言いながら学校へ行っている学生を見ると、当時の自分を思い出す。その時マスターが「そんなこと言ってないで、『つまる』ところを探せばいいじゃん」と言っていたことが妙に懐かしく思える。あちこちで相談員をやっていると、不満があるのにその先をどこに話して、どうしたいかを考えられない人が多くいらしゃる。わちきもマスターのように対応出来ればいいなあと時々思う。

そうそうこの頃、もう一つ居場所があって。。。。。それはDISCO!!!!
こちらに関してはまた明日。

お後がよろしいようで。。。。。
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