中3物語 ほいほいの魔法の畑/第31話/ギブス

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学び
 骨折したら、お医者は患者にギブスをはめて治療する。
 何もないときでも当たり前のように、大人は子どもにギブスをはめて育てようとする。

 『中3物語』を少し続けて読んでいただくとすぐ解る。私は子どもの心にギブスをはめる立場に反対だ。私は<子どもの味方の大塩平八郎>を自称している。私の真骨頂である。
 ところが私の実践の中では、私も子どもに<ギブスをはめる>ことがよくある。それを<言葉>にすることができそうな気がする。そこで、今日はこのことについて書く。

 100%子どもの段取りで物事が成立する場合もたまにある。子どもがしっかりしている場合だ。だが病んでいる場合。例えば「かくれんぼ」したくてしょうがない子には、いっしょにかくれんぼをする。ホンキでかくれんぼして満足させることも重要だ。それから<枠>を示すことも重要だと考える。《自由》といっても放っとけばいい訳ではないことは自明だ。ちゃんとお手本示す。示唆を与える。刺激となるように誘う。<自由>は「放任」でない。子どもといっしょに歩くことが大切なんだ。子どもが《自分の中にあるもの》を実現していけるように案内することが大事なんだ。そのための<手段>をいろいろ考えなければならない。

 そのいっしょに歩くとき、<骨折>している子どもには<ギブスをはめる>ことがよくあるんだ。

 リバティではご褒美がある。塾生は「じゃがりこチャレンジ」をして「じゃがりこ券」をGetできる。たいていいつでも「チャレンジ」は承認されるし、たいていいつでも「券」は挑戦者のものとなる。
 4月中に○○に挑戦して達成したら「J-券10枚」ください!とかありありで、こないだR太はレジ袋まんぱん「お菓子17個」もらって帰った。そーしといて「こんなんじゃおじゃんな」なんてセンセはよく言う。そーしといて「じゃがりこチャレンジはがんばってる子だけな」なんてセンセはよく言う。例えばR太にはそんな言い方が頻繁になってくる。そーするとそれは<ギブス>になる。センセからの<命令>とか<枠>とか<型>とかになる。ところがその<ギブス>は<自由>には反しない。R太はついてくる。センセの要求がハードル高すぎると文句言うR太だが、文句言うときにはセンセが折れる。もちろん、センセが折れることができないときもある。でも、それはそれで理が通っているからR太はちゃんと理解できる。そーいうことを、相手つまり子どもを見ながら一人ひとり作っていく。<センセのギブス>は柔らかいから、子どもにとっては《楽しいギブス》になる。R太は《楽しい》と言っている。《もっと勉強したい》と言っている。

 ギブスが固いとうまくいかない。子どもはやる気をなくすし、それで大人が突っ張ると子どもはグレるのがオチ。気をつけてね。そんなことしてない?

 なお、センセは「お菓子代」を父兄に負担してもらうという<技>を身につけたから、みなさん。心配しないで大丈夫なんだ。笑。


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