2021年4月1日に改正高年齢者雇用安定法が施工されたことをご存知でしょうか。
1.少子高齢化の実態
2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法により、企業は70歳までの雇用確保措置を講ずることが努力義務となりました。
ご存知のように少子高齢化社会による労働力不足への対応策として、高齢者の能力や経験を活かした社会全体の活性化を目的としたものです。
しかし、これは表向きの理由。
本当の理由は、年金制度が破綻しつつあるからです。
日本の年金制度が始まったのは昭和34年(1959年)になります。
昭和34年4月に国民年金法が成立しました。
当時の出生率は、2.04。
平均して1組の夫婦が2人の子供を産む計算になります。
それが現在は1.26。
1人の子供を産むことになります。
計算上になりますが、すべての夫婦(2人)が子供を1人ずつ産むわけですから、どんどん人口が減っていきますね。
若い世代が減り、高齢者が増えるわけですから、年金の原資が減少していきます。
爆発的に若い世代が増えない限り、将来的に年金制度が破綻することが予測できます。
2. 改正高齢者雇用制度の概要
改正高年齢者雇用安定法では、企業は以下の5つの措置のうち、いずれか一つ以上を講じることが努力義務となりました。
改正部分は、一言でいうと【定年を無くす】か、なんらかの形で社員を【70歳まで雇用しなさい】ということになります。
その背景には、年金の支給時期が、現状の65歳からやがて70歳へと繰り上げることが予定されているからです。
3.マクドナルド社の事例
マクドナルドというと、学生アルバイトの定番。
もしかしたら、あなたやあなたの友人が学生時代、アルバイトしていたことがあるかもしれませんね。
ちなみに、私はセブンイレブン派でした。
マクドナルドではアルバイト社員を【クルー】と呼びます。
現在、最高齢のクルーは何歳だと思いますか。
男性は95歳。
女性は90歳です。
女性は90歳。
チラシにもあるように、シニア層を積極的に採用しています。
さて、あなたは90歳、95歳まで働けるでしょうか。
人生100年時代といわれますが、それが本当に実現しつつあります。
4.70歳まで働く時代の実現に向けた課題
70歳まで働く時代の実現に向けては、2つの側面の課題があります。
ひとつは働く労働者の問題、もうひとつは受け入れる企業側の問題。
ここでは、労働者の問題、課題を取り上げます。
70歳まで働き続けるためには、様々な要素が関わってきますが、特に重要なポイントを4つ挙げます。
1. 健康管理
何よりも、健康でなければ長く働くことはできません。
日々の生活習慣を意識し、適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠を心がけましょう。
また、定期的に健康診断を受け、病気の早期発見・早期治療も必用です。
2. スキルアップ
時代と共に求められるスキルは変化していくため、常に新しい知識やスキルを学び続けることが重要です。
資格取得など自主的に学習することが大切。
3. ワークライフバランス
心身の健康管理の面からも、休暇の過ごし方に工夫が必用です。
趣味、家族や知人と過ごすと時間、勉強やスキルアップなど、仕事以外の充実した時間をバランス良く過ごすことが大切です。
4. キャリアプラン
70歳まで働き続けるためには、長期的なキャリアプランを立てることが重要です。
そのためには、50代後半からキャリアプランを考える必用があります。
60歳、65歳の定年後をどのように生きるのか。
自分の強みや興味、社会のニーズなどを考慮し、どのようなキャリアを築きたいのかを明確にしましょう。
また、その目標達成のために必要なスキルや経験を計画的に身につけていく必要があります。
例えば、体力を考慮して在宅勤務で働くとしたら、その準備も必用ですね。
70歳まで働き続けることは決して簡単ではありませんが、上記のポイントを今から心掛けることで、実現可能になります。
50代後半の過ごし方が、その後の人生を決める時代になりました。
これからのあなたのキャリアプランを一緒に考えます。