煩悩即解脱
精神的に苦しい症状の真っただ中にいた私は、もはやにっちもさっちもいかず、「ああ、これで自分も終わりだな。」と観念するところがありました。
苦しい状況下の私に残されたものは、この自分の終わりを最後まで見届けることだけでした。
自分としてはとても悔しく、残念ですが、今の自分に残された道はもうそれしかない。
私はそういう苦しい状況下にある自分の姿を見るたびに、これが自分の運命だと思いました。
そうして毎日毎日、苦痛のまま、できないながらも精一杯歩き続けたのです。私は、いつ駄目になっても仕方がないという気持ちで毎日歩き続けたように思います。
ところが、不思議なことが起こりました。駄目になるはずの自分が駄目にならないばかりか、今まで見えなかった身の回りのものが、だんだんとはっきり見えてきたのです。