教養としてのギリシア哲学②:プラトン
プラトン:『ソクラテスの弁明』『クリトン』『饗宴』『パイドン』『国家』『ティマイオス』『クリティアス』。理性によって認識できるイデアこそが真実在であると説き、人間の魂は善美のイデアを求める心(エロース)を原動力としてイデア界を想起し、それによって感覚的世界から解放されると考えました。
『ソクラテスの弁明』:ソクラテスはアテネの法廷で訴えられ、裁判によって処刑されましたが、法廷で裁判を見守っていたプラトンが、ソクラテスによる弁明の一部始終を記録、公表したものです。
『クリトン』:獄中のソクラテスに友人のクリトンが逃亡を勧める様子を描いています。
『饗宴』(シュンポシオン):ソクラテスが仲間達と恋の神エロースを賛美する宴会を舞台とする対話篇。
『パイドン』:副題は「魂の不死について」。ソクラテス亡き後、弟子のパイドンが哲学者エケクラテスにソクラテスの最期の様子を語るという形式で書かれています。イデア論と霊魂論(プシュコロギア)が初めて登場する重要な哲学書です。
『国家』:イデア論を中心に、魂の三分説と国家の三階級を連動させ、四元徳で連結しました。これにより、個人の教育と哲人政治の実現が連結され、後世のユートピア文学や共産主義にも多大な影響を与えました。また、末尾にある「エルの物語」は、エルが死後12日間に渡って体験した臨死体験という体裁で語られる霊界探訪物語としても知られます。
『ティマイオス』:政治体制を論じた『国家』の一部の内容[を受ける形で対話が始まり、冒頭でクリティアスがアトランティス伝説について語っています。次いでティマイオスが宇宙の創造、宇宙は無限か否か、四元素などにつ
0